軽籠・軽子(読み)かるこ

精選版 日本国語大辞典 「軽籠・軽子」の意味・読み・例文・類語

かる‐こ【軽籠・軽子】

〘名〙
① (軽籠) 縄を縦横に編んだ正方形の網に、四隅に棒を通す縄を付けて、石などを二人で組んで運ぶもの。簣(あじか)。もっこ。
※俳諧・生玉万句(1673)「相撲場も神さひ土の俵かな〈一永〉 かるこで担ふ道芝の露〈一瓶〉」
酒樽を肩にかついで運ぶときに固定させるために組んだ、十字形の木の枠(わく)日葡辞書(1603‐04))。
③ (軽子) (①から) 荷物を運んだり荷車を引いたりする人足。かつぎ人足。持子(もちこ)。転じて、雇い人夫一般をもいう。
※俳諧・桃青門弟独吟廿歌仙(1680)杉化独吟「榊葉を槇にまがへて小商ひ 分入りたまふかるこやとひし
※歌舞伎・八幡祭小望月賑(縮屋新助)(1860)四幕返し「傍の船頭だの軽子(カルコ)だのも口口に悪く言って」
④ (軽子) 江戸深川の岡場所で遊客や遊女の世話をする女。仲居。かるこおんな。
※歌舞伎・盟三五大切(1825)序幕「軽子(カルコ)めらにゃア冷かされるし」
⑤ 大工が材木に線を引くときに使う糸や紐の先に付ける小さな木切れ。〔日葡辞書(1603‐04)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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