辰巳・巽(読み)たつみ

精選版 日本国語大辞典 「辰巳・巽」の意味・読み・例文・類語

たつ‐み【辰巳・巽】

[1]
十二支で表わした方角の名の一つで、辰と巳との間の方角。すなわち、東南。
書紀(720)神武即位前己未年三月(北野本訓)「夫(か)畝傍山(うねめやま)を観(み)れば(畝傍山、此をば宇禰縻夜摩と云ふ)東南(タツミのすみ)橿原(かしはら)の地(ところ)は」
古今(905‐914)雑下・九八三「我いほは宮このたつみしかぞすむ世をうぢ山と人はいふなり〈喜撰〉」
② 東南の方角から吹いてくる強風
※浄瑠璃・義経千本桜(1747)二「舟と日和を見る事は船問屋の商売、昨日けふは辰巳(タツミ)、夜半には雨も上り」
[2] 江戸時代の遊里、深川の異称。江戸城の東南方にあたるところからいった。辰巳の里。また、そこの芸者
※洒落本・辰巳婦言(洒落本大成所収)(1798)跋「妄言(むだ)趣向をかきがら道。おもひ辰巳(タツミ)の古石(こせき)を見通す」
刺青(1910)〈谷崎潤一郎〉「吉原、辰巳の女も美しい刺青の男に惚れた」

たつみ【辰巳・巽】

姓氏の一つ。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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