近寄(読み)ちかよる

精選版 日本国語大辞典 「近寄」の意味・読み・例文・類語

ちか‐よ・る【近寄】

〘自ラ五(四)〙
近く位置へ寄る。ちかづく。接近する。〔文明本節用集(室町中)〕
※俳諧・俳諧新選(1773)二「近よって扇をたたむ牡丹かな〈其流〉」
② 親しくなるようにする。ある事柄人物と関係をもつ。
浮世草子・西鶴諸国はなし(1685)三「先(まづ)犬どもにちかより。横手の塀を切ぬき」
虞美人草(1907)〈夏目漱石〉四「美しい浮世へ近寄(チカヨ)る為(ため)には二十七年かかった」
③ 時間的に近くなる。ちかづく。
落語・かつぎや五兵衛(1889)〈禽語楼小さん〉「正月の来る度毎死期(しにめ)が近寄るのだ」

ちか‐よ・せる【近寄】

〘他サ下一〙 ちかよ・す 〘他サ下二〙
① 近くの位置へ寄せる。そばにちかづける。接近させる。〔日葡辞書(1603‐04)〕
※舗道雑記帖(1933)〈高田保〉人釣り道楽業「ぐるりとハンドルを切って近寄せて、見るとそれは」
② 親しくなるようにし向ける。
談義本・風流志道軒伝(1763)一「滑稽(ひゃうひゃく)を以て人を近寄、よく近く譬へをとりて、俗人を導べし」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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