20世紀日本人名事典 「近藤 啓太郎」の解説
近藤 啓太郎
コンドウ ケイタロウ
昭和・平成期の作家,美術評論家
- 生年
- 大正9(1920)年3月25日
- 没年
- 平成14(2002)年2月1日
- 出生地
- 三重県四日市市
- 学歴〔年〕
- 東京美術学校(現・東京芸術大学)日本画科〔昭和17年〕卒
- 主な受賞名〔年〕
- 芥川賞(第35回)〔昭和31年〕「海人舟」,読売文学賞(随筆紀行賞 第39回)〔昭和63年〕「奥村土牛」
- 経歴
- 戦後千葉県・鴨川に移り、一時、漁師生活を送る。昭和21年鴨川中学に図画教師として勤務するかたわら、25年から同郷の丹羽文雄主宰の「文学者」に参加し、小説を書き始める。吉行淳之介、安岡章太郎との交流から“第三の新人”と目された。31年「海人舟」で第35回芥川賞を受賞。他の代表作に「飛魚」「盛粧」「黒南風(くろはえ)」「冬の嵐」「海」や妻の癌による死を描いた「微笑」、エッセイ「犬馬鹿物語」「楽に死ぬのがなぜ悪い」、安岡との対談・エッセイ「齢八十いまなお勉強」など。鴨川を愛し、房総の漁師との交流生活など、文壇でも異色の傑物と評された。また日本画への造詣も深く、「大観伝」「近代日本画の巨匠たち」「菱田春草」「奥村土牛」など美術評論も手がけた。
出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報