追払(読み)おいはらい

精選版 日本国語大辞典 「追払」の意味・読み・例文・類語

おい‐はらい おひはらひ【追払】

〘名〙
① 追い払うこと。追放放逐
三河物語(1626頃)一「一しほ、御慈悲を成され〈略〉御面目をうしなわせ給ず。況哉、をいはらい、御せいばいと申事も無」
② 江戸時代、長崎で行なわれた刑罰一種。長崎市中、郷中から外へ追放する刑。市中郷中払い。〔禁令考‐後集・第四・巻三六・寛政一〇年(1798)〕
③ 江戸時代、追放刑のこと。江戸前期に用いられた語で、御定書(おさだめがき)では追放の名に統一された。〔禁令考‐前集・第六・巻五一(1603‐12)〕

おい‐ばらい おひばらひ【追払】

〘名〙
① 後で支払うこと。一度支払って、さらに後から追加として支払うこと。追加払い。
② 支払い免除、または支払い義務不明のため支払わなかったものが、後になって支払うようになること。
民事訴訟法(明治二三年)(1890)一〇一条「訴訟上救助の取消及び数額追払の義務に付き決定を為す」

おい‐はら・う おひはらふ【追払】

〘他ワ五(ハ四)〙 じゃまなものなどを追いたてて遠くにやる。追っぱらう。放逐する。
古事記(712)上(前田本訓)「汝が庶兄弟をば坂の御尾に追ひ伏せ、亦河の瀬に追ひ撥(ハラ)て」

おっ‐ぱら・う ‥ぱらふ【追払】

〘他ワ五(ハ四)〙 「おいはらう(追払)」の変化した語。
※謡曲・舟弁慶(1516頃)「なほ怨霊は慕ひ来るを、追っ払(ぱら)ひ祈り退け」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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