逃・迯(読み)にげる

精選版 日本国語大辞典 「逃・迯」の意味・読み・例文・類語

に・げる【逃・迯】

〘自ガ下一〙 に・ぐ 〘自ガ下二〙
① つかまらないように走って去る。危険を避けてのがれる。また、自分にとって具合の悪い場所から抜け出て遠くに去る。のがれる。
書紀(720)顕宗元年二月(図書寮本訓)「朕、幼年に在て、亡逃(ニケ)て自ら匿(かく)れたり」
② 面倒なことに近づかないようにする。関係することから身をかわす。避ける。
※とはずがたり(14C前)一「なにの御用とも覚えねども、そそろき、にぐべき御人からならねば候に」
③ 本来そこにあってほしい場所から遠くに去ったり、失せたりする。「チャンスが逃げる」
流星(1924)〈富ノ沢麟太郎〉五「彼は気が挫(くじ)けて四肢の張りが逃げて行ってしまひさうに感じた」

にげ【逃・迯】

〘名〙 (動詞「にげる(逃)」の連用形名詞化)
① 逃げること。のがれること。遁逃(とんとう)
※いさなとり(1891)〈幸田露伴二三「庄兵衛進退に困(こう)じ私(そっ)と外さんと逃(ニゲ)にかかるを」
※雑俳・桜の実(1767)一六「お内義はさづかりものとにげを言ひ」
機械仕上げで、機械の性能上その形を作ることが困難な箇所の仕上げを、差しさわりのないように避けること。
④ 機械の部品に、互い運動を妨げないようくぼみや斜面をつけておくこと。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android