通一遍(読み)とおりいっぺん

精選版 日本国語大辞典 「通一遍」の意味・読み・例文・類語

とおり‐いっぺん とほり‥【通一遍】

〘名〙 (形動)
① 通りがかりに立ち寄った客で、平素からの馴染(なじみ)でないこと。
洒落本・広街一寸間遊(1778)「おなじみはかくべつ。〈略〉わたしどもはとふり一っへん」
② 事務的であったり、単なる義理としてするだけで真心からの行ないではないこと。うわべだけで誠意のないこと。また、そのさま。
俳諧・ゆめみ草(1656)冬「今朝やまだ通り一へん初時雨〈悦春〉」
※生(1908)〈田山花袋〉二「子息(むすこ)心底から思ってする行為(こと)も母の眼には通り一遍の御世辞で」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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