造粒(読み)ゾウリュウ

デジタル大辞泉 「造粒」の意味・読み・例文・類語

ぞう‐りゅう〔ザウリフ〕【造粒】

粉末のものを固めて粒状にすること。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「造粒」の意味・わかりやすい解説

造粒 (ぞうりゅう)

微細粒子からなる粉体を固めて粒状にすること。でき上がった粒状体に対しては,その製造法や技術分野により,ペレットpellet,顆粒(かりゆう)granule,マイクロカプセルmicrocapsuleなどの呼名がある。造粒についても,ペレットまたはペレタイジングpelletizing,顆粒化granulationなどの用語が使われている。練炭の製造などに古い歴史をもつブリケット化またはブリケティングbriquettingも一種の造粒技術である。造粒の目的もまた,分野によってさまざまである。鉄鉱石の造粒は溶鉱炉の通風性を増し,操業の効率を高めることなどを目的として行われる。鉄鉱石ペレットの製造は鉱石粉に少量の粘結剤(バインダー)と水を加え,ペレタイザーと呼ばれる円盤形あるいは中空円筒形の回転体の中で,粒子を運動させることによって行われる。ペレタイザーによって形成されたペレットは生ペレットgreen pelletと呼ばれ,焼成ののち溶鉱炉に装入される。石炭ブリケット化は燃焼技術への対応,取扱い性の向上などを目的とするものである。最も一般的な卵状のブリケットは,微粉炭に粘結剤として若干のピッチなどを加えて加温したものを,表面に多数のくぼみのある2本の円筒の間で高圧成形することによって作られる。薬品などにみられる錠剤耐火煉瓦などは,原料粉を成形枠の中に入れ,高い圧力を加えることによって製造される。高分子凝集剤を添加したスラリーやスラリーにこれと混合しない他の液体を加えて緩やかにかくはん攪拌)することによって,造粒体を形成させる方法は水中造粒あるいは液中造粒と呼ばれ,製剤や廃水処理などに応用されている。さらにまた,ペースト状の含液粉体を押出成形機extruderから押し出すことによって造粒を行う方法,流動層における粒子群の運動を利用した造粒法もある。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

化学辞典 第2版 「造粒」の解説

造粒
ゾウリュウ
granulation

一般に,粉末,溶融液,溶液スラリーなどの原料を,均一な形状と大きさの粒状物にする操作をいう.また,造粒を単に粒をつくるという広義な意味にとれば,噴霧乾燥,連続晶析などもこれに含まれる.造粒の目的は,たとえば食品,製鉄,医薬あるいは化学肥料などの分野によってそれぞれ異なるが,粒状物は粉状の固体と比較して,溶解性,通気性,均一性の保持に一般的にすぐれている.製鉄では,原料鉄鉱石の粉末を回転ドラムによって粒径を増大させ,凝集造粒物として製鉄原料にする.医薬品などでは,粒子の表面をほかの物質で覆う被覆造粒法が行われる.一般に,粒子を凝集させるには,湿潤粉末を原料として用いるか,あるいは乾燥粉末に液体を噴霧して行う.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

百科事典マイペディア 「造粒」の意味・わかりやすい解説

造粒【ぞうりゅう】

ペレタイジングともいう。微細粒子からなる粉体を固めて球状にする処理。鉄鉱石の場合は,微粉鉱に少量の粘結剤と水を加え,ペレタイザーと呼ばれるドラムの中で粒子をころがして造粒し,1100℃程度で焼成する。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

今日のキーワード

青天の霹靂

《陸游「九月四日鶏未鳴起作」から。晴れ渡った空に突然起こる雷の意》急に起きる変動・大事件。また、突然うけた衝撃。[補説]「晴天の霹靂」と書くのは誤り。[類語]突発的・発作的・反射的・突然・ひょっこり・...

青天の霹靂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android