連合(心理学)(読み)れんごう(英語表記)association

翻訳|association

日本大百科全書(ニッポニカ) 「連合(心理学)」の意味・わかりやすい解説

連合(心理学)
れんごう
association

心的活動の単位(要素)を結び付けることを意味する。意識内容の要素としては、表象、観念概念などがあげられ、連想ということもあるが、これらに限らず、広く反応相互、反応―刺激間の結び付きを連合という。

 観念の連合が古くアリストテレスによって主張され、類似対比、時空的接近が連合の原理として指摘された。近代になってイギリスの経験主義のなかに連合の原理が展開し、連想主義associationismの心理学が形成された。連合には方向性があり、成立時と同方向の順連合、逆方向の逆連合、系列事象の間の距離については、隣接する場合には隣接連合、離れた間には遠隔連合、継時的に生じるか同時に生じるかによって継時連合、同時連合、第三の単位によって間接に結び付くか否かで、間接連合、直接連合が区別される。

 語の連想を研究するうえには連想になんら制限をしない自由連想、連想語の種類を制限する制限連想が行われる。また、任意の有意味・無意味語について、どれだけの連想語が生じるかによって語の連想価とすることもある。語連想については近来、概念的な階層構造が指摘されている。

小川 隆]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

青天の霹靂

《陸游「九月四日鶏未鳴起作」から。晴れ渡った空に突然起こる雷の意》急に起きる変動・大事件。また、突然うけた衝撃。[補説]「晴天の霹靂」と書くのは誤り。[類語]突発的・発作的・反射的・突然・ひょっこり・...

青天の霹靂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android