達・等(読み)たち

精選版 日本国語大辞典 「達・等」の意味・読み・例文・類語

たち【達・等】

〘接尾〙
① 人を表わす名詞代名詞に付いて、複数を表わす。また、そのすべてのものを含む意も表わす。上代では、神・天皇・高貴な人に限られたが、時代が下がるにつれて範囲が拡大し、丁寧な表現として用いられるようになった。「ども」「ら」に比べて敬意が強い。
万葉(8C後)一九・四二四〇「大船にま楫(かぢ)しじ貫(ぬ)き此の吾子(あご)を韓国(からくに)へ遣(や)るいはへ神多智(タチ)
※土左(935頃)承平五年一月二七日「をとこたちの心なぐさめに漢詩(からうた)に」
② 複数の意が薄れ、軽い敬意を表わす。
源氏(1001‐14頃)花宴「をかしかりつる、人のさまかな。女御の御おとうとたちにこそは、あらめ」
③ 敬意を失って、目下の者、一人称の代名詞、また擬人化して動物などにも用いる。
捷解新語(1676)五「おしらるやうにてうせんのせんとうたちもあすひよりがありそうなと申ほどに」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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