遠退(読み)とおのく

精選版 日本国語大辞典 「遠退」の意味・読み・例文・類語

とお‐の・く とほ‥【遠退】

[1] 〘自カ五(四)〙
距離または機会がとおざかる。はなれる。へだてる。しりぞく。〔文明本節用集(室町中)〕
浮世草子傾城禁短気(1711)三「爰は遠退(トヲの)いて様子一先(ひとまづ)見るか」
② 疎遠になる。関係がたえだえになる。また、間遠になる。
※歌舞伎・茲江戸小腕達引(腕の喜三郎)(1863)中幕「遊びの足が遠退(トホノ)いて」
[2] 〘他カ下二〙 ⇒とおのける(遠退)

とお‐の・ける とほ‥【遠退】

〘他カ下一〙 とほの・く 〘他カ下二〙 とおざける。とおのかせる。〔日葡辞書(1603‐04)〕
かくれんぼ(1891)〈斎藤緑雨〉「燭台を遠退(トホノ)けて」

とお‐そ・く とほ‥【遠退】

〘自カ四〙 遠くへだたる。とおざかる。
万葉(8C後)一四・三三八九「妹が門いや等保曾吉(トホソキ)ぬ筑波山隠れぬ程に袖は振りてな」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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