酸桃・李(読み)すもも

精選版 日本国語大辞典 「酸桃・李」の意味・読み・例文・類語

す‐もも【酸桃・李】

〘名〙
① バラ科の落葉小高木。中国原産で、日本には古くから渡来し「万葉集」や「日本書紀」に「李」として登場している。高さ三~六メートル。葉は互生し長さ五~七センチメートルの狭長卵形、縁に細鋸歯(きょし)がある。四月ごろ、葉に先だって葉腋に白色で径約二センチメートルの五弁花が一~三個ずつ叢生して咲く。果実は径二~五センチメートルの球形または広卵形で、赤紫色または黄色に熟す。果肉は甘酸っぱく多汁で、そのまま食べたり塩漬砂糖漬にしたりする。果樹として広く栽植され品種が多い。漢名、李。にほんすもも。はたんきょう。《季・夏》
▼すももの花《季・春》
※書紀(720)推古二四年正月(北野本南北朝期訓)「桃李(スモモ)実之(みなれり)
※万葉(8C後)一九・四一四〇「わが園の李(すもも)の花か庭に散るはだれの未だ遺りたるかも」
② 植物「でんじそう(田字草)」の異名。〔訓蒙図彙(1666)〕
③ 植物「かたばみ(酢漿草)」の異名。〔物類称呼(1775)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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