重クロム酸アンモニウム(読み)じゅうくろむさんあんもにうむ(英語表記)ammonium bichromate

日本大百科全書(ニッポニカ) 「重クロム酸アンモニウム」の意味・わかりやすい解説

重クロム酸アンモニウム
じゅうくろむさんあんもにうむ
ammonium bichromate

重クロム酸アンモニウム塩。正式名称は二クロム酸アンモニウムammonium dichromateという。

 クロム酸(酸化クロム(Ⅵ)の水溶液)に計算量アンモニア水を加えて中和し、濃縮、冷却すると析出する橙色(とうしょく)結晶アルコールには溶けるが、アセトンには溶けない。加熱すると融解せずに分解し、窒素酸化とクロムの還元がおこり、下記の式のように酸化クロム(Ⅲ) Cr2O3、窒素分子N2を生成する。

(NH4)2Cr2O7→Cr2O3+N2+4H2O
[岩本振武]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の重クロム酸アンモニウムの言及

【二クロム酸】より


[二クロム酸アンモニウム]
 化学式(NH4)2Cr2O7。俗称重クロム酸アンモニウム。酸化クロム(VI) CrO3水溶液を計算量の濃アンモニア水で中和し,濃縮して冷却すると得られる。…

※「重クロム酸アンモニウム」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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