重・錘(読み)おもり

精選版 日本国語大辞典 「重・錘」の意味・読み・例文・類語

おもり【重・錘】

〘名〙 (動詞「おもる(重)」の連用形の名詞化。物の重さを増すために加えるものの意)
① 秤(はかり)の道具。物の重さと平均を保たせて、目方を量るのに用いる。〔日葡辞書(1603‐04)〕
浄瑠璃・釈迦如来誕生会(1714)三「秤の皿に打こんで、衡(オモリ)繰り寄せ目を数へ」
釣り針魚網を水中に沈めるために用いる、鉛のかたまり。沈子。
※人情本・春色梅児誉美(1832‐33)後「土場(どば)のちっともまじらねへ黄色な光る餌を付、義理と恩との銕丸(オモリ)をかけ」
※自然と人生(1900)〈徳富蘆花〉湘南雑筆「隣の舟でどぶんと鉛錘(オモリ)を投込む音」
③ 物をおさえつけたり、水などに沈めたりするために重量を加えるもの。おもし。
※浮世草子・傾城禁短気(1711)一「櫓は急げども遅きを不思義たつれば〈略〉『少しの物が重(オモ)りにかかる事よ』と取出し給へば裸金にて千五百両」
④ 人を圧倒する威力。また、そういう力のある人。
※浮世草子・好色産毛(1695頃)五「お家のまかないと召れて、末末の女子共のおもりと成」
⑤ 目方。重量。重み
※うたかたの記(1890)〈森鴎外〉下「マリイは諸手巨勢が項に組合せて、身のおもりを持たせかけたりしが」
病気などが重くなること。
評判記・難波立聞昔語(1686)川島数馬「有時は其身大尽(じん)となり、三五の影子(かげこ)をくるひ、其積(オモ)りにや地黄丸(ちわうくん)御腰をはなさず」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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