重複食道(食道重複症)

内科学 第10版 「重複食道(食道重複症)」の解説

重複食道(食道重複症)(先天性食道疾患)

(3)重複食道(食道重複症)
 消化管重複症は回腸に最も好発するが,ついで食道に多く,10〜15%を占めるといわれている.囊状のものがほとんどで,管状のものは少ない.病因としては上皮の食道壁内迷入と考えられており,下部食道に好発する.診断には内視鏡検査や上部消化管造影が用いられるが,造影CT検査やMRI検査にて診断されることが多くなってきている.治療は外科的摘出術で,近年は鏡視下手術の適応となることも多い.[前田貢作]
■文献
Gross RE: Surgery of Infancy and Childhood, WB Saunders, Philadelphia, 1953.
Maeda K, et al: Circular myectomy for the treatment of congenital esophageal stenosis due to tracheobronchial remnant. J Pediatr Surg, 49: 65-67, 2004.
日本小児外科学会学術・先進医療検討委員会:我が国の新生児外科の現況—2008年新生児外科全国集計—.日小外会誌,46:101-114, 2010.
Spitz Ll: Esophageal atresia: past, present, and future. J Pediatr Surg, 31: 19-25, 1996.

出典 内科学 第10版内科学 第10版について 情報

今日のキーワード

黄砂

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android