朝日日本歴史人物事典 「野村素介」の解説
野村素介
生年:天保13.5.18(1842.6.26)
明治期の官僚。号は素軒。父は長州藩(山口県)藩士有地留之介。藩校明倫館で学んだのち,安政6(1859)年江戸に行き塩谷宕陰,安井息軒に漢学を,江川太郎左衛門に兵学を,小島成斎に書道をそれぞれ学んだ。帰藩後,明倫館舎長となり,同藩士野村正名の嗣子となる。幕末,尊攘を唱え国事に奔走した。維新後,欧州視察(1871)を経て茨城県参事(在任6日間),文部大書記官,元老院議官などを歴任し,貴族院議員に勅選された。晩年は書家として著名で書道奨励会の会頭を務め,杉孫七郎,日下部鳴鶴らと共に明治三筆と称された。山口市香山園の「勅選銅碑」はその手になる。明治33(1900)年男爵。<参考文献>井関九郎編『現代防長人物史』
(長井純市)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報