精選版 日本国語大辞典 「野蒜」の意味・読み・例文・類語
の‐びる【野蒜】
〘名〙 ユリ科の多年草。各地の山野に生える。高さ三〇~八〇センチメートル。全体にニラやネギに似た臭気がある。鱗茎は広卵形で白い。葉は細長い管状で長さ約三〇センチメートル。夏、茎頂に黒紫色で球状の「むかご」にまじえて長柄をもつ小さな花を半球状につける。花は六花被をもち白色で裏は紫色。葉・鱗茎は食べられ、また鱗茎をおろして麦粉と練ったものを塗れば打撲傷に効くという。漢名に山蒜を当てる。ひる。ねびる。ぬびる。《季・春》
▼のびるの花《季・夏》
※俳諧・落柿舎日記(1774)「猪の藪ほりかへす野ひるかな〈野明〉」
ぬ‐びる【野蒜】
〘名〙 (→ぬ(野)) ⇒のびる(野蒜)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報