日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
金剛杖(こんごうじょう)
こんごうじょう
山伏(やまぶし)(修験道(しゅげんどう)の行者(ぎょうじゃ))の用いる3種の杖(つえ)の一つ。「こんごうづえ」とも読む。修験者のなかで度衆(どしゅう)とよばれる行者が所持する四角の棒で、長さは行者の身長と同じとする。四方四面は発心(ほっしん)、修行(しゅぎょう)、菩提(ぼだい)、涅槃(ねはん)という行者の内心の展開を示し、各面1寸5分(約4.5センチメートル)、あわせて6寸は、行者の六大(ろくだい)(身体の構成要素)を表す。ほかに檜杖(碑杖)(ひじょう)は円形で先達(せんだつ)が使用し、担杖(かせぎじょう)は担木(かせぎ)ともいわれ、上部が丁字形で初入新客の使用する杖をいう。
[加藤精一]