金棒・鉄棒(読み)かなぼう

精選版 日本国語大辞典 「金棒・鉄棒」の意味・読み・例文・類語

かな‐ぼう【金棒・鉄棒】

〘名〙
① 鉄で作った棒。周囲にいぼのあるものもあり、打ち振って人を倒したり、物をこわしたりするのに用いた。かなさい棒。
太平記(14C後)二二「件の金棒を打ち振りければ、蜘の子を散らすが如く」
夜回りや行列の先頭に立つ者などが鳴らして人々の注意をうながすのに使った鉄製の棒。錫杖(しゃくじょう)のように、鉄の輪数個を棒の頭につけ、地面を突くと鳴るものなどがある。
※仮名草子・御伽物語(1678)一「亥のかしらとおもふ刻、夜まはりのものとうち見えて、かなぼうつきて二人来り」
※洒落本・美地の蠣殻(1779)「屋敷鉄棒(カナボウ)、町の羽二重といふ仕うちの、革ばおりと見たから」
※雑俳・柳多留‐七三(1821)「鉄棒のおおい長家の姦しさ」
器械体操用具の一つ。左右の柱に鉄の棒をわたしたもの。鉄棒。
破戒(1906)〈島崎藤村二一木馬や鉄棒(カナボウ)は深く埋没(うづも)れて了って」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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