錦紗縮緬(読み)きんしゃちりめん

改訂新版 世界大百科事典 「錦紗縮緬」の意味・わかりやすい解説

錦紗縮緬 (きんしゃちりめん)

絹織物を代表する縮緬(ちりめん)の一種。長じゅばん,着尺,羽尺や和装小物に無地染,友禅染,ろう染などの加工をして使われる。経糸生糸平織緯糸は1mに3500回以上のひじょうに強い撚りをかけ,右撚りと左撚りを2本交互に織り込んで織り上げた後,精練しセリシンを除去すると生地が縮んで表面に凹凸が生じ,〈しぼ〉状となり白生地ができ上がる。細糸使いで経糸の密度が多いため,経糸が緯糸をおおうような感じがあり,〈しぼ〉は小さく柔らかで品質優美な地風が特徴である。おもに京都府丹後,滋賀県長浜地方の縮緬産地で生産されるが,近年は韓国,中国,台湾産のものも輸入される。
縮緬
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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