鍋沢 ワカルパ(読み)ナベサワ ワカルパ

20世紀日本人名事典 「鍋沢 ワカルパ」の解説

鍋沢 ワカルパ
ナベサワ ワカルパ

明治期のユーカラ伝承者



生年
文久3年1月10日(1863年)

没年
大正2(1913)年12月15日

出生地
東蝦夷地日高国ピテトリコタン(北海道)

経歴
紫雲古津コタンの首長・ウトムリウクの弟で、代々ユーカラ伝承者を輩出した家系に生まれる。白内障を患い失明したが、記憶力に優れ多くのウパシクマ(昔話)を暗記していた。大正2年東京の金田一京助のもとに招請され、14編2万行に上るユーカラを伝授した。それらは後に金田一著「アイヌ叙事詩 ユーカラの研究」に収録され、アイヌ文学研究の基礎となった。金田一から“アイヌのホメロス”と賞賛された。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

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