鏡山(滋賀県)(読み)かがみやま

日本大百科全書(ニッポニカ) 「鏡山(滋賀県)」の意味・わかりやすい解説

鏡山(滋賀県)
かがみやま

滋賀県中部、蒲生(がもう)郡竜王町(りゅうおうちょう)と野洲市(やすし)との境にある山。雨乞岳(あまごいだけ)竜王山(385メートル)と星ヶ峰(ほしがみね)(207メートル)の総称。石英斑岩(はんがん)からなり、近江(おうみ)名山の一つである。歌枕(うたまくら)でも有名。山腹から山麓(さんろく)にかけて甲山(かぶとやま)古墳、円山(まるやま)古墳(ともに大岩山古墳群として国史跡)や須恵器(すえき)焼成用の登窯(のぼりがま)群が多く、竜王町須恵の地名は須恵工人の所在を物語る。北部を中山道(なかせんどう)(国道8号)が通る交通の要地で、中世の宿駅鏡(野洲市)は源義経(よしつね)が奥州下りのときに元服した地と伝えられる。鏡山や鏡宿の名は『吾妻鏡(あづまかがみ)』『平治物語』『源平盛衰記』『太平記』『古今集』などにみられる。壬申(じんしん)の乱(672)のおり、大海人皇子(おおあまのおうじ)の武将鏡大君が戦死したことから鏡山の名がつけられたともいう。

高橋誠一

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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