長南(町)(読み)ちょうなん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「長南(町)」の意味・わかりやすい解説

長南(町)
ちょうなん

千葉県中部、房総(ぼうそう)丘陵の山間地域にある長生郡(ちょうせいぐん)の町。1955年(昭和30)庁南(ちょうなん)町と東、西、豊栄(とよさか)の3村が合併して改称。長生郡の南部にあることが町名となった。町の北部を国道409号が走り、東京湾と茂原(もばら)を結ぶ。また、圏央道が通り、茂原長南インターチェンジ(一部は茂原市)がある。中世、武田氏は庁南城を本拠一帯を治めたが、江戸時代には旗本領となった。1868年(明治1)井上氏が浜松から鶴舞(つるまい)(市原市)に入封して6万石を領したが(鶴舞藩、1871年廃藩)、当初、町内に仮本営が置かれた。県立笠森(かさもり)鶴舞自然公園の中心にある坂東(ばんどう)三十三所31番札所笠森寺は、784年(延暦3)最澄(さいちょう)が開いたという名刹(めいさつ)で、国指定重要文化財の四方懸(しほうがけ)造観音堂をはじめ多くの文化財を有し、笠森寺自然林は国指定天然記念物である。報恩寺の木造阿弥陀(あみだ)如来坐像は国指定重要文化財。ゴルフ場や自然遊歩道もあって日帰りレクリエーションに適する。蓮根(れんこん)、ブランド米清流(コシヒカリ)などを産する。1992年(平成4)長南工業団地が造成され企業が進出している。面積65.51平方キロメートル、人口7198(2020)。

[山村順次]

『『長南町史』(1973・長南町)』


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