長洲(町)(読み)ながす

日本大百科全書(ニッポニカ) 「長洲(町)」の意味・わかりやすい解説

長洲(町)
ながす

熊本県北西部、玉名郡(たまなぐん)にある町。1889年(明治22)町制施行。1955年(昭和30)清里村の一部を編入、1957年腹栄(ふくえい)村と合併。荒尾丘陵の南端からなる北東部を除けば、全域沖積低地ならびに干拓・埋立地からなる。干拓地はおよそ400年間にわたって造成されてきたもので、沖積低地とともに現在も稲作栽培地の中核をなしている。埋立地には、1963年から数次にわたって臨海工業地区が造成され、造船、金属加工などの工場が立地している。埋立てを免れた北西部海岸の沖合いは有明ノリの漁場で、潮の干満により見え隠れする網ひびは晩秋から冬にかけての風物詩ともなっている。また、ノリ漁場と臨海工業地区とを仕切るように位置する長洲港は熊本県管理の地方港湾で、対岸の島原半島の多比良(たいら)港との間にフェリーが運航しており、年間約60万台の車と旅客17万5000人を運んでいる。北東部の丘陵地には臨海工業地区に通う人々の住宅団地が立ち並び、北西部の旧長洲町の町並みと際だった対照をなす。町域の中央をほぼ東西にJR鹿児島本線が走り西部には長洲駅がある。全国的に知られたものに、オランダシシガシラを生み出した金魚養殖と、四王子神社(しおうじじんじゃ)で行われる破魔弓(はまゆみ)祭(的(まと)ばかい)とがある。面積19.44平方キロメートル、人口1万5372(2020)。

[山口守人]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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