長門(旧町名)(読み)ながと

日本大百科全書(ニッポニカ) 「長門(旧町名)」の意味・わかりやすい解説

長門(旧町名)
ながと

長野県中東部小県郡(ちいさがたぐん)にあった旧町名(長門町(まち))。現在は長和(ながわ)町の東部を占める。旧長門町は1956年(昭和31)長窪古(ながくぼふる)町、長久保新町(ともに1889年町制施行)と大門(だいもん)村が合併して成立。2005年(平成17)和田(わだ)村と合併し長和町となる。千曲(ちくま)川の支流依田(よだ)川上流部にあり、旧町域の82%は山林谷底米作のほか薬用ニンジンも栽培される。国道142号(中山道(なかせんどう))、152号(大門街道)、254号が走る。中心の長久保新町は中山道の長窪宿で、当時の民家が残り昔のおもかげをとどめ、また東へ1キロメートルほど行くと中山道の松並木のある笠取峠(かさとりとうげ)に至る。笠取峠付近から北の、上田(うえだ)市境界にかけての地域は学者村とよばれる別荘地。南部の茅野(ちの)市との境にある大門峠は古代、中世を通じ、諏訪(すわ)方面と上田・長野方面を結ぶ重要な峠で、戦国末期武田氏はこの峠を北へ越えて上田方面へ進攻した。峠を下った姫木平(ひめきだいら)も別荘地となっている。

[小林寛義]

『『長門町誌』(1961・長門町)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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