長音階(読み)ちょうおんかい(英語表記)major scale 英語

精選版 日本国語大辞典 「長音階」の意味・読み・例文・類語

ちょう‐おんかい チャウ‥【長音階】

〘名〙 (major scale の訳語) 全音階うち基音と第三音との間が長三度で、第三音と第四音、第七音と第八音の間が半音その他全音となっているもの。⇔短音階。〔楽典初歩(1888)〕

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デジタル大辞泉 「長音階」の意味・読み・例文・類語

ちょう‐おんかい〔チヤウ‐〕【長音階】

major scale全音階のうち、主音と第3音との間が長3度をなし、第3音と第4音、第7音と第8音との間が半音である音階。⇔短音階

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「長音階」の意味・わかりやすい解説

長音階
ちょうおんかい
major scale 英語
Durtonleiter ドイツ語

全音階の一つで、音階の第三度に長三度をもつ七音音階。教会旋法イオニア旋法に由来する。音階は第一音の音名でハ調長音階、ニ調長音階などとよぶ。このうちハ音から始まる音階以外は、長音階を構成するために派生音を必要とするが、それらのうち嬰(えい)記号シャープ♯)を使うものを嬰種長音階(シャープの少ない順からト、ニ、イ、ホ、ロ、嬰ヘ、嬰ハ)、変記号フラット♭)を使うものを変種長音階(フラットの少ない順からヘ、変ロ、変ホ、変イ、変ニ、変ト、変ハ)という。

[南谷美保]

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百科事典マイペディア 「長音階」の意味・わかりやすい解説

長音階【ちょうおんかい】

西洋古典音楽の音階の一つ。短音階の対。長調を構成している音からなる音階,つまり,第3音と第4音の間,第7音と第8音の間の音程は半音で,他は全音の音階。五線譜で嬰(えい)記号・変記号なしに示される長音階はハ調長音階である。
→関連項目音階階名

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改訂新版 世界大百科事典 「長音階」の意味・わかりやすい解説

長音階 (ちょうおんかい)
major scale

長調の音階。長旋法ともいう。ハ音上の全音階のオクターブ(ハ・ニ・ホ・ヘ・ト・イ・ロ・ハ)によって最も単純に表される。
長調
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「長音階」の意味・わかりやすい解説

長音階
ちょうおんかい
major scale

音楽用語。第3音と第4音の間,第7音と第8音の間が半音で,他は全音から成る7音音階。長音階は全音-全音-半音というテトラコードが間に全音をはさんで2つ重なったもの,すなわち全音-全音-半音-全音-全音-全音-半音という間隔で階段状に7つの音が並んだものであり,ドレミファソラシドがそれにあたる。これによって作り出されるのが長調という「調べ」であるが,一般的には長調と長音階は概念として明確に分けられていない。

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世界大百科事典(旧版)内の長音階の言及

【音階】より

…また中世の旋法では正格旋法は音階の最低音を主音としたが,変格旋法はその音列の第4音を主音とした。16世紀になってから基礎的な上記8種の教会旋法に,第5および第6正格調として現在の長音階と短音階(図1,図2)の形(イオニアとエオリア)が取り入れられ,それらの変格調を含めて全部で12種となった。多声的音楽が発達してくるにつれて,それらの中で和声的に都合のよい長音階と短音階の形が重んじられるようになり,そのほかの旋法はしだいに選択されてこの2種だけが今日まで存続するようになった。…

【長調】より

…また近代の機能和声にあっては,トニカ(主和音),ドミナント(属和音),サブドミナント(下属和音)の三つの主要和音がいずれも長3和音であれば長調,短3和音であれば短調ということができる。このような音階の形をそれぞれ長旋法(あるいは長音階),短旋法(あるいは短音階)といい,例えばハ長調はハ音上の長旋法,ハ短調はハ音上の短旋法である。ただし短調では,上述の自然的短調のほかに,和声的要求から第7度音が半音上げられて主音への導音となることで属和音のみ長3和音となる場合(和声的短調),さらに旋律的要求から上行時に第6度音も半音上げられて下属和音も長3和音を構成する場合(旋律的短調)がしばしばある。…

※「長音階」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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