門真(市)(読み)かどま

日本大百科全書(ニッポニカ) 「門真(市)」の意味・わかりやすい解説

門真(市)
かどま

大阪府中東部、大阪市の北にある市。1963年(昭和38)市制施行。市域は淀(よど)川左岸や旧大和(やまと)川の沖積平野上の標高2メートル程度の低湿地(一種の輪中(わじゅう))にあり、その中に3~4メートルの自然堤防からなる微高地が線状に続いている。市域の北部を京阪電気鉄道京阪本線が走り、大阪市の中心と約20分で結ばれている。国道163号(清滝(きよたき)街道)、近畿自動車道も走る。1997年(平成9)には大阪モノレール本線と大阪市営地下鉄(現、大阪市高速電気軌道)長堀鶴見緑地線(ながほりつるみりょくちせん)が市域まで延長した。『古事記』の仁徳(にんとく)天皇の条にある茨田堤(まんだのつつみ)は、河内(かわち)の低地洪水から守り耕地を確保するためのもので、堤根(つつみね)神社の裏手にその名残(なごり)がみられる。長い間一毛作であった低湿地に、大正初期から蓮根(れんこん)栽培が始まったが、最近は都市化の影響でほとんどみられなくなった。日本最大の弱電気工業の町となったのは、1933年(昭和8)松下電器産業(現、パナソニック)が設立されてからである。三島神社の薫蓋クス(くんがいくす)は目通し幹周り12.5メートル、樹齢1000年といわれ、国の天然記念物に指定されている。面積12.30平方キロメートル、人口11万9764(2020)。

安井 司]

『『門真市史』全6巻・別巻1(1988~2006・門真市)』


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