間夫・真夫(読み)まぶ

精選版 日本国語大辞典 「間夫・真夫」の意味・読み・例文・類語

ま‐ぶ【間夫・真夫】

〘名〙
遊女の情人。遊女が真情を捧げる男。
※評判記・嶋原集(1655)「形をめで、まぶをうらやみ、かふうをあわれみ」
② (━する) 遊女が、情夫を持つこと。また、情夫に会うこと。
※浮世草子・好色二代男(1684)六「間夫する程の女郎に、よはきは独もなし」
③ 一般の男女についてもいう。
(イ) 人妻と、その夫でない男とが、密通すること。また、人妻と密通する男。間男(まおとこ)姦夫(かんぷ)。情夫。
※俳諧・昼礫(1695)「妻の密夫(まぶ)仕度我は切支度」
(ロ) 夫婦の間柄でなくて愛情をかわす男。情夫。情人。恋人。
読本忠臣水滸伝(1799‐1801)後「もし私夫(マブ)あらば、なんぢをあたへて団円(まったく)完聚(ふうふとなし)
(ハ) 妻以外に愛する女。情婦。
※浮世草子・関東名残の袂(1708)一「外にすこしもまぶの女をもたじとのかたい誓ひを給はらば」
[補注]次項「間府(まぶ)」に引く「俳・新増犬筑波集‐油糟」の例から、間府と関連づける説もあるが、「色道大鏡」ではそれを否定し、「表向の買手にあらずして密通する男をいふ。真実におもふ夫といふ事なり。〈略〉これによって、真夫と書く」としている。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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