関税同盟[ドイツ](読み)かんぜいどうめい[ドイツ](英語表記)Zollverein, Deutscher

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「関税同盟[ドイツ]」の意味・わかりやすい解説

関税同盟[ドイツ]
かんぜいどうめい[ドイツ]
Zollverein, Deutscher

1834年に発足し,以後次第に拡大したドイツ諸邦の関税同盟。 18年プロシアは国内交易関税を廃止,近隣諸邦もこれに協調,28年に二十余邦が同盟を結んだ。これに対し南部ではバイエルン,ウュルテンベルクなどの南ドイツ関税同盟,中部にも中部ドイツ通商同盟が成立。プロシアが合同を働きかけ,34年ほぼ全ドイツにわたる関税同盟に統一した。さらに 1880年代までにはオーストリアを除いた全ドイツの関税同盟となり,ドイツ産業資本の発達の支えとなった。思想的にはドイツの国民経済学者 F.リストの影響が強いが,プロシアの主導によるドイツの政治的統一の前提をつくった意味でも重要。

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