改訂新版 世界大百科事典 「阿賀沖油ガス田」の意味・わかりやすい解説
阿賀沖油・ガス田 (あがおきゆガスでん)
1972年に発見され76年に生産を開始した日本で最初の本格的海洋油・ガス田。新潟市の北東約15km,水深80mの沖合にある。この油・ガス田を形成している地質構造は,浅部では一つのドーム状を示すが深部では東と西の二つの背斜をなし,その二つの背斜構造の頂部付近に油やガスが賦存している。産ガス層は鮮新世西山層下部の砂岩層,産油層は中新世椎谷層上部の砂岩層で,深度は約1800~2300mにわたっている。この両背斜のほぼ中央部,水深82mの海底に,掘削・生産兼用のプラットホームが設置され,同所より14坑の生産井が設けられている。生産当初には日産340klの原油と175万m3のガスが生産されたが,96年度の生産量は原油93kl,ガス8.5万m3である。生産された原油やガスは約11kmの海底パイプラインで陸上基地に送られている。
執筆者:鵜飼 光男
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