阿野廉子(あのれんし)(読み)あのれんし

日本大百科全書(ニッポニカ) 「阿野廉子(あのれんし)」の意味・わかりやすい解説

阿野廉子(あのれんし)
あのれんし
(1311―1359)

醍醐(ごだいご)天皇後宮。父は阿野公廉。母は未詳。後村上(ごむらかみ)天皇および恒良・成良2親王、祥子・惟子2内親王らの生母。初め後醍醐天皇中宮禧子(後京極院)に侍したが天皇の寵(ちょう)を得て後宮に入り、従三位(じゅさんみ)に叙し、三后に准じられた。君寵を背景にして、ほしいままな行為があり、南北朝動乱の一因ともなったという。1351年(正平6・観応2)12月新待賢門院の女院号を受け、1357年落飾、1359年(正平14・延文4)4月29日南朝において没。大阪府河内長野(かわちながの)市観心寺および奈良県吉野郡川上村高原に廉子の墓と伝えるものがあるが、確かなものかどうか不明。

[村田正志]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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