障害者差別解消法(読み)ショウガイシャサベツカイショウホウ

デジタル大辞泉 「障害者差別解消法」の意味・読み・例文・類語

しょうがいしゃさべつかいしょう‐ほう〔シヤウガイシヤサベツカイセウハフ〕【障害者差別解消法】

《「障害理由とする差別解消推進に関する法律」の通称障害者基本法の基本理念に沿って、障害を理由とする差別を解消するための措置などについて定めた法律。障害のある人に対する不当な差別的取扱いを禁止し、行政機関事業者に対して合理的配慮提供を求めている。平成28年(2016)4月施行

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図書館情報学用語辞典 第5版 「障害者差別解消法」の解説

障害者差別解消法

「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」.2006(平成18)年国連総会で採択された「障害者権利に関する条約」を批准するための国内法整備一環として,2013(平成25)年制定,2016(平成28)年施行.障害を理由とする差別的な扱いを禁止し,行政機関等は,利用等において障害者から合理的配慮が求められた場合,過重な負担にならない限り提供しなければならないと規定した.公立図書館および国公立の大学・学校図書館が該当する.私立の各図書館を含む事業者には,合理的配慮の提供に関する努力義務が課されている.2016年日本図書館協会は「図書館における障害を理由とする差別の解消の推進に関するガイドライン」を策定している.

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「障害者差別解消法」の意味・わかりやすい解説

障害者差別解消法
しょうがいしゃさべつかいしょうほう

「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」(平成25年法律第65号)の略称。2013年(平成25)6月に制定され、2016年4月に施行。「障害者の権利に関する条約」(2006年12月国連総会採択)を批准するための国内法整備の一環として制定された。

 法律の目的は、「障害を理由とする差別の解消を推進し、もって全(すべ)ての国民が、障害の有無によって分け隔てられることなく、相互人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に資すること」である。法律では、障害を理由とした不当な差別的取扱いを行政機関等と民間事業者の双方に禁じるとともに、障害者への合理的配慮の提供を行政機関等に対しては義務、民間事業者に対しては努力義務とし、その的確な提供のために施設の構造改善や設備の整備などの基礎的環境整備(事前的改善措置ともいう)を行政機関等と民間事業者の双方に対し努力義務とした。また、障害を理由とする差別に関する相談体制の整備、差別の解消についての啓発活動の実施などを国と地方公共団体に求めている。

 法律の附則には、施行後3年を経過した場合において、合理的配慮のあり方や法律の施行状況について検討し、必要に応じて見直しを行うと規定されており、今後、検討をふまえた法律改正の可能性がある。

[野口武悟 2020年8月20日]

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