雇・傭(読み)やとい

精選版 日本国語大辞典 「雇・傭」の意味・読み・例文・類語

やとい やとひ【雇・傭】

〘名〙 (動詞「やとう(雇)」の連用形の名詞化)
給金を払って人をやとうこと。また、そのやとわれた人。恒常的、本来的なものではなく、一時的、また、ある年限をきってやとう場合をいう。
梅津政景日記‐慶長一九年(1614)一二月六日「両人之者、やとひのおなこ、十月三日に加兵より籠者被致候由」
② 借用すること。かりること。
※仮名草子・為愚癡物語(1662)三「朋友のもとより、小荷駄馬をやとひにつかはしけるふみに」
官庁などで、任官していない臨時の職員。
※良人の自白(1904‐06)〈木下尚江〉前「裁判所の一室下級書記や雇(ヤトヒ)など卓を囲んで」
④ 関船造りの船体で、各櫓床のすぐ下に入れる横張力用の上船梁別称
※早船之規矩(1654)四「櫓床・雇・中貫・居貫の大さ、𦨞長一丈に付一寸掛り」

やと・う やとふ【雇・傭】

〘他ワ五(ハ四)〙
賃金料金を払って、ある期間人や乗り物などを使う。
霊異記(810‐824)下「吾を雇(ヤトヒ)て勧め救はしむ。〈真福寺本訓釈 雇 ヤトヒテ〉」
② 借りて用いる。利用する。
※班子女王歌合(893頃)「霜枯れの枝となわびそ白雪を花にやとひてみれども飽かず」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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