精選版 日本国語大辞典 「雉・雉子」の意味・読み・例文・類語
きじ【雉・雉子】
〘名〙
① キジ科の鳥。形はニワトリに似るが尾が長く、全長約八〇センチメートル。雄は暗緑色を主体とした羽色で、複雑な模様があり、目の周囲は赤色の皮膚が裸出する。尾は四〇センチメートル弱で、とがり、灰褐色の地に多数の黒帯がある。雌はやや小さく、尾は二〇センチメートル前後。全体に黄褐色で、黒褐色の斑紋が散在。草原、低木林、林縁などにすみ、地上性で、草木の実や昆虫などを食べる。四~七月の繁殖期に雄はケン・ケーンと二声に鳴く。日本特産で、本州・四国・九州に分布。日本の国鳥。学者によってはアジア大陸産のコウライキジも同種とする。きぎす。きぎし。《季・春》
② キジ科の鳥のうち、キジに近縁な鳥の総称。大形、雌雄異色で、尾の比較的長い点で共通の特色があり、ヤマドリ、キンケイ、ギンケイや、ときにはクジャクまでも含む。キジ類と総称されるが、分類学上のグループではなく、ウズラ、シャコ類との間に線を引くことができない。唯一種を除いて、すべてアジア南部産。
③ 「きじやき(雉焼)」のこと。
※雑俳・柳多留‐四〇(1807)「俗ぶつさ鰹に雉子の味(あぢ)をつけ」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報