雛壇・雛段(読み)ひなだん

精選版 日本国語大辞典 「雛壇・雛段」の意味・読み・例文・類語

ひな‐だん【雛壇・雛段】

〘名〙
① =ひなだな(雛棚)①《季・春》
※雑俳・柳多留‐八八(1825)「雛だんの猫鵺ほどに嫁さわぎ」
② 歌舞伎の大道具の一つ。舞踏劇で、長唄や常磐津、清元などの演奏者がすわって演奏する、二段になった台のこと。長唄では、上段に唄い手と三味線下段には笛・太鼓・小鼓・大鼓が座を占める。
※歌舞伎・連獅子(1861)「と雛段(ヒナダン)に長唄囃子連中、烏帽子素袍にて居並び」
③ (①のように赤い毛氈(もうせん)を敷き、平土間より一段ずつ高くなっているところから) 枡席のある歌舞伎劇場で、東西の桟敷(さじき)と、その前の高土間などをいう。
④ 国会の本会議場で、大臣席などの俗称。
⑤ 人などが並んだり座ったりするために、①のように階段状に作られた場所。
大菩薩峠(1913‐41)〈中里介山〉お銀様の巻「さきには人気焦点であった此の赤い雛壇(ヒナダン)が能登守の姿を現はしたことによって其の人気を奪はれてしまひました」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

靡き

1 なびくこと。なびくぐあい。2 指物さしものの一。さおの先端を細く作って風にしなうようにしたもの。...

靡きの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android