雲南[省](読み)うんなん

百科事典マイペディア 「雲南[省]」の意味・わかりやすい解説

雲南[省]【うんなん】

中国西南部の省。簡称は【てん】。省都は昆明。東部は高原状となっているが,西部は梅里雪山(6740m),玉竜雪山(5596m)などの高峰がきびすを接し,その間を金沙江(長江の上流),瀾滄江(メコン川),怒江(サルウィン川)などの大河が深い峡谷を形作って流れている。南部は気候が温和で,シーサンパンナ(西双版納)は植物の宝庫とされる。農産物は米,小麦,トウモロコシ,葉タバコ,茶などの他,松茸も産する。スズ,銅などの鉱物資源も豊富で,西部の大理一帯は古くから大理石の特産地として知られている。中華人民共和国成立後は鉄鋼,機械,電力などの工業も急速に発展した。交通は昆明を中心に昆貴(昆明〜貴州),成昆(成都〜昆明)およびベトナムのハノイにつながる昆河(昆明〜河口)の三鉄路とチベットに向かう【てん】蔵公路,ミャンマーに向かう【てん】緬公路がある。中国で少数民族が最も多い省で,イ(彝)族ペー族タイナシ族リス族など20余の少数民族が人口の30%以上を占める。近年の改革・開放政策のもとで東南アジアなどとの通商や観光開発が活発になっている。39万4000km2。4576万人(2014)。
→関連項目大理国磚茶

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