震旦（読み）シンタン（英語表記）Zhèn dàn

デジタル大辞泉

しんたん【震旦／振旦／真旦】

《古くは「しんだん」とも》古代中国の異称。古代インド人が、中国をチーナ‐スターナ（梵Cīnasthāna、秦の土地の意）と呼んだのに由来する。

出典　小学館

改訂新版　世界大百科事典

震旦 (しんたん)
Zhèn dàn

古代インドで中国をさした語の漢字表現。〈しんだん〉とも読む。秦の名が音変化してインドに伝わり，〈秦国の土地〉の意でサンスクリット語チーナスターナCīnasthānaとなり，それが仏典翻訳の際中国に逆輸入され漢訳されたもの。振旦，真丹，支那などすべて同じ音の転字だが，震は東方を旦は坦（地）をさすのでこの字が多く使われたという。日本では正倉院文書から見え，天竺（てんじく）と対になってよく用いられた。
執筆者：杉山 正明

出典　株式会社平凡社「改訂新版　世界大百科事典」

百科事典マイペディア

震旦【しんたん】

中国の異称。支那の称と同系統。古代インド人が中国をチーナスターナ（シナの土地）と呼んだのに由来する。振旦，真丹などとも書く。
→関連項目今昔物語集｜私聚百因縁集｜注好選

出典　株式会社平凡社

旺文社世界史事典 三訂版

震旦
しんたん

中国の古称
インド人が中国をサンスクリット語でチナスターナ（秦国の土地の意）と呼び，それを震旦・振旦・至那・斯那・脂難などと漢訳。シナの語源とする説もある。

出典　旺文社世界史事典 三訂版

普及版 字通

【震旦】しんたん

中国の古称。

字通「震」の項目を見る。

出典　平凡社「普及版 字通」

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

震旦
しんたん
Zhen-dan; Chên-tan

振旦，真丹とも書く。中国の古称。古代インド人が中国を秦の土地 (チーナスターナ) と呼んだことに基づく。

出典　ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典