霊山寺(徳島県)(読み)りょうぜんじ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「霊山寺(徳島県)」の意味・わかりやすい解説

霊山寺(徳島県)
りょうぜんじ

徳島県鳴門(なると)市大麻町にある高野山真言(こうやさんしんごん)宗の寺。竺和(じくわ)山一乗院と号する。四国八十八か所霊場第一番札所で、「一番さん」とよばれる。本尊釈迦如来(しゃかにょらい)。天平(てんぴょう)年間(729~749)聖武(しょうむ)天皇の勅願により行基(ぎょうき)が開基し、のち弘仁(こうにん)年間(810~824)空海が天竺(てんじく)(インド)の霊鷲山(りょうじゅせん)を和国(日本)に移す意味で竺和山霊山寺と名づけた。かつては阿波(あわ)三大坊の一つとして、伽藍(がらん)が整った大寺であったが、天正(てんしょう)年間(1573~92)長宗我部元親(ちょうそがべもとちか)の兵火で諸堂を焼失し、のち再建された。しかし、1891年(明治24)本堂と多宝塔を残し焼失したが、順次再建されている。

[眞柴弘宗]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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