日本大百科全書(ニッポニカ) 「青山(三重県)」の意味・わかりやすい解説
青山(三重県)
あおやま
三重県中西部、名賀郡(ながぐん)にあった旧町名(青山町(ちょう))。現在は伊賀(いが)市の南部を占める一地域。1955年(昭和30)阿保(あお)町と上津(こうづ)、種生(たねお)、矢持(やもち)の3村が合併して成立。2004年(平成16)上野市、伊賀町、阿山(あやま)町、島ヶ原(しまがはら)村、大山田(おおやまだ)村と合併、伊賀市となる。名称の「青山」は公募で選ばれた。旧町域は、上野盆地の南東端、名張(なばり)市に隣接する。木津川最上流部、布引(ぬのびき)山地西麓(せいろく)の丘陵性山地が大部分で、北西端で木津川と前深瀬川が合流する所にわずかに平地が開け、初瀬街道の宿場町としてにぎわった中心集落の阿保がある。近畿日本鉄道大阪線、伊賀鉄道伊賀線、国道165号、422号が通じ、近年大阪の遠郊住宅都市化が及び、桐ヶ丘住宅地、青山工業団地が造成された。面積の約80%が山林で、農林業が主産業。スギ、ヒノキなどの素材生産が多く、また、良質の酒米を産する。青山高原への入口にあたり観光開発にも力を入れている。国の特別天然記念物オオサンショウウオの生息地。国指定重要文化財として、大村神社宝殿、宝厳寺(ほうごんじ)の十一面観音立像、常楽寺の大般若経がある。
[伊藤達雄]
『『青山町史』(1979・青山町)』