青島(宮崎市)(読み)あおしま

日本大百科全書(ニッポニカ) 「青島(宮崎市)」の意味・わかりやすい解説

青島(宮崎市)
あおしま

宮崎市南部、日南海岸(にちなんかいがん)の北端部に位置する陸繋(りくけい)島。周囲約0.86キロメートル。対岸から弥生(やよい)橋が架かっているが、干潮時には陸地とつながる。地形的には隆起海食台で、最高点はわずか5.7メートルにすぎない。地層は第三紀の宮崎層群で、砂岩泥岩が美しい互層をなしている。この地層が東に向かってやや傾斜しているため、波食に弱い泥岩が早く侵食され、「鬼の洗濯板」とよばれる景観を生み出している。この景観は日南海岸に広く分布する。島内に海幸(うみさち)・山幸(やまさち)の伝説が残る青島神社がある。また、ビロウ樹の自然林で覆われ、78科230種の亜熱帯植物が繁茂する。これらの植物は、隆起後の島の砂礫(されき)層に漂着した種子が、温暖な気候(平均気温17.3℃)の下で生育したものと推定される。前記の「青島の隆起海床と奇形波食痕(はしょくこん)」は国の天然記念物、「青島亜熱帯性植物群落」は特別天然記念物に指定されている。

 島の付近には、遊園地「こどものくに」、青島海水浴場があり、ホテルなどが林立し、日南海岸国定公園の一大中心地となっている。JR日南線青島駅下車。国道220号が対岸を通る。人口3(2000)。

[横山淳一]


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