飯島(町)(読み)いいじま

日本大百科全書(ニッポニカ) 「飯島(町)」の意味・わかりやすい解説

飯島(町)
いいじま

長野県南部、上伊那郡(かみいなぐん)にある町。伊那盆地の中央部に位置する。1954年(昭和29)町制施行。1956年七久保(ななくぼ)村と合併。天竜川右岸段丘上にあり、JR飯田(いいだ)線が通る。町の中心部は、近世に三州街道が通り、その宿駅として発展し、現在は国道153号が通じている。段丘上の平坦(へいたん)面は稲作ナシやクリが栽培されている。1677年(延宝5)江戸幕府の直轄地を支配する陣屋が置かれ、明治初年まで伊那盆地の天領36か村を支配した。1868年(明治1)伊那県庁が置かれ県下全域の天領を支配し、1870年北部の天領が中野県の管轄となり、翌1871年伊那県は筑摩県(ちくまけん)に併合された。西方の越百(こすも)山山麓(ろく)の千人塚は、織田武田の1000人に及ぶ戦死者を埋めたといわれ、いまは南アルプスを全望できるキャンプ場としてにぎわっている。面積86.96平方キロメートル、人口9004(2020)。

[小林寛義]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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