飯田武郷(読み)イイダタケサト

デジタル大辞泉 「飯田武郷」の意味・読み・例文・類語

いいだ‐たけさと〔いひだ‐〕【飯田武郷】

[1828~1900]幕末明治国学者信濃国高島藩士。平田篤胤ひらたあつたね没後その門に入り、尊王運動にも参加。著「日本書紀通釈」など。

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精選版 日本国語大辞典 「飯田武郷」の意味・読み・例文・類語

いいだ‐たけさと【飯田武郷】

幕末・明治の国学者。信州高島藩士。平田篤胤(あつたね)没後、その門に入り、勤王運動にも加わる。維新後、東京帝国大学教授などを歴任主著「日本書紀通釈」。文政一〇~明治三三年(一八二七‐一九〇〇

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改訂新版 世界大百科事典 「飯田武郷」の意味・わかりやすい解説

飯田武郷 (いいだたけさと)
生没年:1827-1900(文政10-明治33)

幕末・明治の国学者。通称彦介,のち守人(もりと)。号は蓬室。信濃高島藩の江戸邸に生まれる。歌を海野游翁に学び,平田銕胤(かねたね)の門人となる。幕末期には尊王攘夷思想を奉じて,勤王の志士往来,奔走した。維新後は,皇学所御用掛,高島藩皇学所教授などを経て,気比神宮ほか各地の大社宮司を歴任,さらに東大教授,国学院講師などを務めた。畢生(ひつせい)の大著《日本書紀通釈》は48年の歳月を費やして,1899年に完成。歌文集に《蓬室集》がある。
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朝日日本歴史人物事典 「飯田武郷」の解説

飯田武郷

没年:明治33.8.26(1900)
生年:文政10.12.6(1828.1.22)
幕末明治時代の国学者。父は信州(長野県)高島藩士飯田小十郎武敏。同藩の江戸藩邸で生まれる。はじめ服部芝山儒学を学んだが,のち本居宣長の著に触発され,平田篤胤の没後の門人となった。文久年間(1861~64),尊王運動に加わり,落合直亮らと共に東西に奔走したが,維新後は皇学所創設に携わった。明治11(1878)年に太政官修史館御用掛,のち東京大学教授など,その後半生は明治官学界に身をおいた。畢生の著『日本書紀通釈』70巻は26歳で起筆,一生を費やして明治32年に大成。訓詁校勘の緻密さは『通釈』が余すところなく語る。一方,大酒家ともいわれ,その風交の様は『学海日録』などにみて取れる。<著作>『日本書紀通釈』全70巻<参考文献>坂本箕山『飯田武郷翁伝』

(ロバート・キャンベル)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「飯田武郷」の意味・わかりやすい解説

飯田武郷
いいだたけさと

[生]文政11(1828).諏訪
[没]1901.8.26. 東京
江戸時代末期~明治期の国学者。信州高島藩士。通称は守人。和歌を海野游翁に学ぶ。また安政1 (1854) 年平田篤胤の没後その門 (気吹舎) の門人となる。のち勤王の志士として奔走し,王政復古には平田鉄胤を助けて国学の理想実現に尽力。皇学所御用係となり,まもなく郷里高島藩の藩校教授。次いで気比,貫前,諏訪,浅間 (せんげん) の諸社に奉仕。 1876年大教院講師,翌年太政官修史館出仕,81年東京大学助教授を歴任。著書に『日本書紀通釈』 (1899,70巻) がある。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「飯田武郷」の解説

飯田武郷 いいだ-たけさと

1828*-1900 幕末-明治時代の国学者。
文政10年12月6日生まれ。信濃(しなの)(長野県)高島藩士。平田銕胤(かねたね)の門人。海野幸典(うんの-ゆきのり)に和歌をまなぶ。落合直亮(なおあき)らと尊攘(そんじょう)運動に参加。明治元年皇学所御用掛。諏訪(すわ)神社などの宮司(ぐうじ),修史館御用掛をへて,14年東京大学助教授となる。48年の歳月をかけて明治32年「日本書紀通釈」を完成。明治33年8月26日死去。74歳。通称は彦介,守人。号は蓬室(ほうしつ)。

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世界大百科事典(旧版)内の飯田武郷の言及

【日本書紀通釈】より

…注釈書。飯田武郷(たけさと)著。1899年(明治32)完成。…

※「飯田武郷」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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