飾・餝・錺(読み)かざり

精選版 日本国語大辞典 「飾・餝・錺」の意味・読み・例文・類語

かざり【飾・餝・錺】

[1] (動詞「かざる(飾)」の連用形の名詞化)
① 飾ること。また、そのもの。装い。装飾。
万葉(8C後)二〇・四三二九「八十国(やそくに)難波につどひ船可射里(カザリ)(あ)がせむ日ろを見も人もがも」
② 実質に関係のない、表面だけの美しさ。虚飾
※人情本・英対暖語(1838)四「世間へのかざり、意地づくの様になりて柳川の許へ通ひ」
③ 商品などをきれいに並べること。飾りつけ。
※浮世草子・日本永代蔵(1688)六「かやうの花車商ひは、かざりの手広きがよし」
頭髪。かみ。→飾りをおろす
今昔(1120頃か)一「過去の諸仏も菩提を成むが為に餝(かざり)を弃(す)て髪を剃給ふ」
※宇津保(970‐999頃)祭の使「よき御馬二つ、一つはかざり、一つはまうけ御馬にて」
⑥ 新年の祝いに飾りつける松飾り、注連(しめ)飾りなどの総称。《季・新年》
※虎明本狂言・松楪(室町末‐近世初)「大晦日におかざりの道具として、ねのびの松を御年貢にあげまらする」
[2] 〘接尾〙 装飾を数えるのに用いる。
※ロドリゲス日本大文典(1604‐08)「Icucazari?(イクカザリ)の問いに対する答は、fitocazari(ヒトカザリ)、futacazari(フタカザリ)、micazari(ミカザリ)等である」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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