馬場道久(読み)ばば・みちひさ

朝日日本歴史人物事典 「馬場道久」の解説

馬場道久

没年:大正5.5.20(1916)
生年弘化3.11.21(1847.1.7)
明治期,海運近代化の功労者幼名吉次郎。越中国新川郡東岩瀬(富山市)の船問屋馬場家7代道久の3男。兄が夭折したので明治12(1879)年に8代目と和船16艘を引き継ぎ,道久(2代)と改名。明治14年藤井能三らと北陸通船会社を興す。続いて勃興した中小汽船会社間の激烈な競争を調停し,越中商船会社にまとめ社長となる。明治24年日本海運業同盟会の設立に当たり,また社寮丸など8隻の汽船を購入し,同36年に馬場合資会社を創立した。北前船主と対立しながらも,その力を結集し日本郵船会社など中央に対抗する反骨精神を貫いた。<参考文献>佐々木誠治『馬場海運史』,原田翁甫『三州船舶通覧』,高瀬保「富山県に於ける北前船主」(『日本歴史』274号)

(高瀬保)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「馬場道久」の解説

馬場道久 ばば-みちひさ

1847*-1916 明治-大正時代実業家
弘化(こうか)3年11月21日生まれ。家は代々越中新川郡東岩瀬(富山市)の船問屋。明治14年藤井能三と北陸通船を設立し,30年越中商船社長。36年馬場合資会社を創立,越中船主同盟会を結成し会長となった。この間,県会議員をへて貴族院議員。大正5年5月20日死去。71歳。幼名は吉次郎。

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