馴染・昵(読み)なじむ

精選版 日本国語大辞典 「馴染・昵」の意味・読み・例文・類語

な‐じ・む【馴染・昵】

〘自マ五(四)〙 (「馴れ染む」の変化した語という)
① なれ親しむ。なれて親しくなる。また、場所や物事などになれる。なつく。
※兼澄集(1012頃)「ゆめにみてあかずさめけむ面影うつつのちよになしみてし哉」
即興詩人(1901)〈森鴎外訳〉めぐりあひ、尼君「まだ二分時ならぬに、はや我に昵(なじ)み給へり」
遊里遊郭で、なじみ客となる。同じ遊女もとに何回も通う。
評判記名女情比(1681)五「いまだなじみたる御事もなきに、いかにこなたにやるせなければとて」
③ 味わい、物の調子などが一つにとけあう。ほどよく調和する。また、なれてしっくりする。
※異形の者(1950)〈武田泰淳〉「しかし坐りこんだ姿勢がどことなく緊張して、あたりの空気になじまなかった」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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