駅馬車(交通)
えきばしゃ
定期的に旅客、荷物、郵便物などを輸送した馬車。17世紀の初め、西ヨーロッパで毛織物工業その他の産業が盛んになり、人や貨物の輸送機関として駅馬車が発達し、主要都市間を定期的に運行した。開拓時代のアメリカでも駅馬車の制度は広く行われ、駅ごとに替え馬を用意して四頭または六頭立ての馬車を走らせたが、ヨーロッパでは運河や鉄道が発達し、アメリカでも鉄道がこれにかわってしだいに衰微した。日本では明治時代から大正時代にかけて各地で人や産物の馬車輸送が行われるようになったが、同時に鉄道も開通するなどして、欧米にみられるような駅馬車の制度は発達しなかった。
[佐藤農人]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
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「駅馬車(交通)」の意味・わかりやすい解説
駅馬車(交通)【えきばしゃ】
ヨーロッパの主要交通路で人や貨物,郵便物を定期的に運送していた馬車。産業の発達に伴い17世紀ころから盛んに用いられ,アメリカ大陸にも取り入れられたが,鉄道の発達につれ廃止された。
→関連項目馬車
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