日本大百科全書(ニッポニカ) 「高原(町)」の意味・わかりやすい解説
高原(町)
たかはる
宮崎県南西部、西諸県郡(にしもろかたぐん)にある町。霧島山(きりしまやま)東麓(ろく)に位置する。1934年(昭和9)町制施行。近世高原郷と称し、名のとおり山麓台地面が広がる。西部は霧島山の秀峰高千穂峰(たかちほのみね)(1574メートル)がそびえ、その東麓には霧島最大の火口湖御池(みいけ)(最大水深93.5メートル、平均水深57.7メートル)がある。町内は霧島系溶岩台地と姶良(あいら)火山のシラス台地が広く分布する。JR吉都(きっと)線、国道221号、223号、宮崎自動車道が通り、高原インターチェンジがある。
江戸時代は薩摩藩(さつまはん)領で、西麓(にしふもと)に地頭(じとう)が置かれた。主産業は牧畜と畑作で、宮崎県畜産試験場が設置されている。霧島東神社、狭野神社(さのじんじゃ)が高千穂峰東麓にあり、いずれもかつていくたびかの霧島噴火の際焼失した記録を残す。狭野のスギ並木と狭野神社ブッポウソウ繁殖地は国の天然記念物。湯之元(ゆのもと)、極楽温泉もある。面積85.39平方キロメートル(一部境界未定)、人口8639(2020)。
[横山淳一]
『『高原町史』(1984・高原町)』