高安(読み)たかやす

精選版 日本国語大辞典 「高安」の意味・読み・例文・類語

たかやす【高安】

[1] 〘名〙 「たかやすりゅう(高安流)」の略。
※浮世草子・好色一代女(1686)一「きのふの和布苅(めかり)の脇は高安はだしとほめ」
[2]
[一] 大阪府八尾市の地名
[二] 大阪府中東部、高安山西側のふもと一帯に置かれていた郡。明治二九年(一八九六中河内郡に編入された。河内木綿産地として知られる。歌枕。
※伊勢物語(10C前)二三「かうちの国、高安の郡に、いきかよふ所出できにけり」
[三] 謡曲。三番目物。廃曲。作者不詳。都の者が河内国高安の里の笛吹松の近くで高安の女の化身に会い、昔の話を聞く。「伊勢物語」による。

たかやす【高安】

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デジタル大辞泉 「高安」の意味・読み・例文・類語

たかやす【高安】

姓氏の一。
[補説]「高安」姓の人物
高安月郊たかやすげっこう

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日本歴史地名大系 「高安」の解説

高安
たかやす

現八尾市の東部、旧高安郡地域をさす。近世の高安郡は北は楽音寺がくおんじから南は恩智おんぢまで、近代に入り神宮寺じんぐうじを含めた。市域中央部から西部がほぼ低地・低湿地であるのに対し、当地域はおおむね生駒山地西麓の扇状地上の高燥地で、西部のみ恩智川筋の低湿地となっている。この扇状地上に弥生時代の大規模な集落跡と推定される恩智遺跡があり、遺跡東方の山腹から二個の銅鐸出土、両者は関連するものと考えられている。古墳時代、山地西麓とりわけ当地辺の最高峰高安山(四八八メートル)山麓から山頂にかけては大規模な古墳築造地となり、「古事記」には高安山の大樹伝説が載る。当地はまた大和と河内を結ぶ陸路の要地にあたり、とくに都が奈良盆地南部の飛鳥・藤原の地方にある時は軍事的にも重視され、七世紀後半には高安山に城が築かれた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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