高橋 延清(読み)タカハシ ノブキヨ

20世紀日本人名事典 「高橋 延清」の解説

高橋 延清
タカハシ ノブキヨ

昭和・平成期の林学者 東京大学名誉教授;北上市みちのく民俗村村長;グリーン・ルネッサンス代表。



生年
大正3(1914)年2月6日

没年
平成14(2002)年1月30日

出生地
岩手県和賀郡沢内村

別名
筆名=どろ亀さん

学歴〔年〕
東京帝国大学農学部林学科〔昭和12年〕卒

主な受賞名〔年〕
林木育種賞(第12回)〔昭和43年〕「カラマツ類の交雑育種の研究と実用化」,北海道新聞文化賞〔昭和49年〕「林分施業法の確立」,グリーン賞(林野庁林政記者クラブ)(第17回)〔昭和51年〕,朝日森林文化賞(第1回)〔昭和58年〕「美林育成と環境保全の林分施業法の確立」,北方林業会賞功績賞,富良野市特別功労賞,勲三等旭日中綬章〔昭和62年〕,日本学士院賞エジンバラ公賞〔平成4年〕,みどりの文化賞(第7回)〔平成8年〕,北海道功労賞〔平成11年〕

経歴
北海道富良野市にある東京大学農学部附属北海道演習林の育ての親で、天然林育成の「林分施業法」理論で世界的に知られる。昭和12年東京帝国大学助手となり、13年同大北海道演習林に着任、17年助教授、のち同演習林長、29年教授。“森が教室だから”と東京・本郷教壇に1度も立つことなく研究生活を続け、49年東大教授を退官。研究のため森を泥まみれになって歩く姿から“どろ亀さん”との愛称で親しまれた。退官後は日本緑化センター理事、緑の文明学会会長など兼務。学識経験者とともに鹿児島県屋久島の縄文杉の保護を訴えるなど、自然保護活動に取り組んだ。60年3月国際森林年にあたって、NHK国際放送・ラジオジャパン短波放送(21言語)より「ある日本人・どろ亀さんの森林と人生」が紹介された(対談形式)。また49年には科学映画「樹海」(第1部「北国の森林」、第2部「天然林を育てる」)を作製し、文部省特選、科学技術映画祭入選、産業映画祭、教育映画祭にて大臣賞、最優秀作品賞などを受賞。平成4年自然保護の基礎研究で成果を上げた研究者に贈られる日本学士院賞エジンバラ公賞を受賞。著書に「樹海に生きて」「森に遊ぶ」「詩集 どろ亀さん」など。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android