高橋竹山(1世)(読み)たかはしちくざん[いっせい]

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「高橋竹山(1世)」の意味・わかりやすい解説

高橋竹山(1世)
たかはしちくざん[いっせい]

[生]1910.6.17. 青森,平内
[没]1998.2.5. 青森
津軽三味線奏者。本名は高橋定蔵。はしかが原因で2歳になる前に半失明。小湊尋常小学校に8歳で入学したものの数日で登校をやめる。 14歳で盲目の門付け芸人に弟子入りし,三味線を習う。2年後に独立してからは単独で北海道を中心に門付けして歩いた。第2次世界大戦後,津軽民謡の実力者,成田雲竹から声がかかり,三味線伴奏者として活動し,雲竹から竹山の名をもらう。独学でマスターした尺八でも津軽民謡の普及に貢献。 64年雲竹の引退を機に独奏者の道を進む。 73年からは東京・渋谷の小劇場「ジァン・ジァン」での定期公演を重ねながら演奏に工夫を加え,三味線を従来の伴奏楽器から独奏楽器へと高めた。 74年には日本民謡協会から名人位を贈られた。『自伝・津軽三味線ひとり旅』 (1975) は吉川英治文化賞を受賞。

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